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荒木飛呂彦さんの言葉から読むジョジョ実写化がジャニーズでも“無理無理ィ”な理由

マンガ

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こんにちは。「やりなおしのマインドマップ」やまざきたかし( @yamazaki_1205 )です。

 

ツイッター界隈でジョジョ実写化が話題に?

ツイッター界隈で荒木飛呂彦さんが某ジャニーズタレントを主役としたジョジョ実写化を突っぱねたことがトレンドに入りました。

 

トレンドの「荒木先生」をのぞいてみると、

 

・さすが荒木先生

・まさに「だが断る」

・そこにシビれる!あこがれるゥ!

 

といったリアル岸辺露伴(?)をたたえる文言が踊っています。

 

その中には、ジョジョファンの強い思いもあれば、ジャニーズに対する非モテのひがみからくるざまあみろの思いをぶつけたようにしか見えないものも多数混じってはいましたが…。

 

今回突っぱねた理由に、某タレントの身長の話題がありました。要するに原作のイメージと合わないということです。

 

しかし、これが仮に本当に荒木さんの発言だったとしても、そんなことは口実の一つにすぎないと思うのです。

 

「荒木飛呂彦の漫画術」がすごい!

荒木飛呂彦さんは2015年に一冊の本を出版しています。「荒木飛呂彦の漫画術」です。

 

漫画家を目指す読者に対して「王道漫画」を描くための「黄金の道」を歩んでほしいという思いで執筆されたとのこと。 

 

ぼくはこれを読み、荒木さんの凄まじい思いに触れてしまっため、もはやどんな監督と俳優をそろえても、荒木さんを満足させる実写化そのものが“無理無理ィ”と感じるのです。

 

ジョジョの実写化が“無理無理ィ”な理由

ということで、本書に書かれた漫画に対するこだわりからジョジョの実写化が“無理無理ィ”な理由を読み解きます。

 

①役作りが無理

荒木飛呂彦さんはキャラクターを作る時に「身上調査書」を書いています。

 

これは履歴書の内容をベースに、よりキャラクターの詳細を描くためのものです。

 

その内容は、例えば

 

  • 名前、年齢、性別、身長、体重、視力
  • 生年月日、血液型
  • 病気、手術経験
  • 尊敬する人、恨んでいる人
  • 人間関係、セックス体験
  • 性格、特技、趣味

 

といったものになります。

 

これは細分化すると60近くの項目からなっています。

 

これらを埋めながら

 

外見、髪型、ファッションなどをそのキャラクターの性格と一体化させて作り込み、最終的にはシルエットだけ見れば誰だかわかるように描いていきます。

 

かの有名な「ジョジョ立ち」も、ただポーズをとっているだけではないのですね。 

 

俳優が語るプロ意識満点の役作りエピソードは数あれど、ジョジョの登場人物の役をやるには最低限のラインが高すぎます…。

 

そして、キャラクターの多様性を確保すべく主役級のキャラだけでなく、脇役にももれなくこの「身上調査書」が用意されているのです。

 

すなわち、実写化すればすべての出演者に時代を代表する俳優のプロ意識が求められてしまうわけです。

 

②読者がひたりたい世界観を表現するのが無理

 ジョジョといえば、その魅力として「世界観」を挙げるのを忘れてはいけません。

 

「世界観」とは要するにリアリティですから、いい加減な世界の描き方では、読者はその中にひたることができませんし、その漫画を読もうという気も失せてしまうでしょう。

たとえ架空のものであっても、世界観は漫画家の中では確固たるものとて成立していなければなりませんし、架空の世界なりにスジが通っている必要があります。それができて初めて、読者はその漫画の世界で繰り広げられる出来事に夢中になれるのです。

 

圧倒的な惹きつける世界観で読者を魅了するジョジョを実写化して、はたしてひたりたいと視聴者が思えるものができるでしょうか?

 

せいぜいネット上で嘲笑の対象になる未来しか見えないです。

  

漫画やアニメを実写化するには原作を愛する方にやってほしいし、そのような方でないと難しいでしょう。

 

しかし、原作者の思いを知れば知るほど誠実な方なら「無理かな…」と思ってしまうのでは?と感じます。

 

それでも「大人の事情」でやらざるを得ないこともあるでしょうが…。

 

さらに、世界観の作り方として、リアリティを出すための徹底的なリサーチの話が強烈です。

 

世界観を表現するには、何気ない風景ひとつ描くにも、細かいところまでリサーチが必要になってきます。

走っている車を描くのでも適当に描いていてはダメで、なぜそこに描かれているのか、必ず意味があるはずですし、それならば車種はどういうものがいいか、といった必然性も導かれるでしょう。

 

もっと具体的には

 

  • ローマのコロッセオからティベレ川までの距離間を正確に描いた
  • 日本とは違うアメリカ中西部の距離間を描いた

 

といったものまで緻密に表現しているとのこと。

 

読者って、みんなその違和感を感じ取れるものなのか…?という疑問はともかく、ネット検索では分からないリアリティは現地で取材して生み出されるものです。

 

このように、世界観の表現にこれだけ力を注いでいるわけです。

 

実写にもかかわらず、実際にあるはずの「その土地」を使わないのであれば、原作者からみて違和感どころの騒ぎではないでしょう。もしそれが架空の地域でも限りなく近い場所を選択することが求められそうです。

 

③絵が全てを表現しているから無理

ところで、荒木飛呂彦さんは、読者に1ページ目をめくらせた後、さらに最後まで読ませる要因を「四大基本構造」と呼んでいます。

 

既に触れたものを含め

 

  • キャラクター
  • 世界観
  • ストーリー
  • テーマ

 

これら4項目です。

 

そして、それを全て包括して表現するのが「絵」であると強調しています。そんな「絵」に対する思いを見てみましょう。

 

「キャラクター」「世界観」「ストーリー」「テーマ」の「四大基本構造」をすべて包みこみ、統括する「絵」は、漫画というメディアにおける超重要事項です。

「絵」イコール「テーマ」であり、「絵」イコール「世界観」であり「キャラクター」や「ストーリー」をどう表現するかは「絵」にかかっています。

そしてぼくの実感として、「絵」は「神様」のものです。

 

とどめを刺されました。

 

百歩譲って、役作りの完璧な俳優、世界観を完璧に再現した場所を準備したとしても、ジョジョ実写化が無理を超えて、してはいけないものじゃないかと。

 

ジョジョ実写化が無理無理ィのまとめ

というわけで、荒木飛呂彦さんの漫画に対する思いを見てきました。

 

マンガを魅力的なものにする要因は相互に関係しています。それらを計算しつくし、表現しているからこそ読者を魅了した作品となっているのです。

 

それを安易に実写化するのはちょっと無理無理ィ!

 

それではまた!