埼玉西武ライオンズ辻発彦監督の理想と現実〜2017年シーズン展望〜

【注1】最終更新日2016.11.28

埼玉西武ライオンズファンクラブ会報誌「L magazine」(以下“会報誌”)の内容を踏まえ、加筆修正しています

 

【注2】シーズン開幕後は新しいブログでライオンズ関連の記事を書いていきます。ぜひコチラのサイトを御覧ください。

yamazaki-takashi.net

 

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こんにちは。「やりなおしのマインドマップ」やまざきたかし( @yamazaki_1205 )です。

 

埼玉西武ライオンズの新監督は辻発彦氏

埼玉西武ライオンズの2017年新監督として、球団OBの辻発彦氏(以下、辻監督)となることが発表され、就任会見が行われました。

 

公式ツイッターより

 

オフィシャルサイトより

www.seibulions.jp

 

報道では、秋山幸二氏や宮本慎也氏、内部から潮崎哲也氏(勘弁してくれよ)といった人事案があったようです。

 

そんな中、かなり後になってから浮上した辻監督に決まりました。先に出た方々からは断られた…?

 

「長い間生え抜き監督が続いていたので、そろそろ外部招聘をしたほうがいいのでは?」という思いと、「“ライオンズ愛”のある人にやってほしい」の狭間で、「外部を知る“ライオンズ愛”ある監督」は面白い人選です。たとえ消極案であったとしても。

 

圧倒的な強さを誇ったライオンズ黄金期の選手が監督として戻ってきます。その時期を知る人間としては緻密な野球の復活を願ってしまいます。

 

ライオンズの後藤オーナーが「球際に強いチームづくり」うんぬんと発言されていたようで、その思いを辻監督も持っていると勝手に推測。

 

しかし、2017年のベースとなるであろう布陣を見てみると、現実は甘くないなと強烈に感じるところです。

 

個々に見ていきます。

 

ライオンズ辻発彦監督の理想と現実

①選手の個々の力を埼玉西武ライオンズというチームとして機能させる

Bクラスに低迷していても毎年言われるのが「戦力は上位に引けを取らない」ということです。

 

特に打撃陣。秋山・栗山・浅村・中村・メヒア・森・山川・坂田といったタレントが揃っています。

 

ただ、打線がハマった日はたくさんの花火、すなわちホームランが飛び出すわけですが、相手がエース級のピッチャーをぶつけてきた場合とたんにダメになってしまいます。

 

「打線は水物」とはよく言ったもので、10点の大勝ゲームの翌日には沈黙というのは珍しくありません。そんな日にどう1点を取るか。

 

ここ数年、毎年複数回ホームゲームを観戦していて感じるのが、1アウトもしくは2アウトから秋山選手が出塁してもそこで終わり。後は淡々と回が進んでいってしまう展開です。

 

相手ピッチャーにストレスフリーの仕事術を実践させてはいけません。

 

「ホームランか三振か」の選手ばかりが並んだ打線はペナントレース優勝からは遠くなる布陣です。

 

たとえスタメン落ちがもったいない選手でも、打線の機能から外さざるを得ない日が出てくるでしょう。

 

当然、次に書く守備との兼ね合いも重要になってきます。

 

②埼玉西武ライオンズの懸案事項「ショート」

ライオンズのショートは「田辺徳雄→松井稼頭央→中島裕之」という美しい系譜が完全に途切れてしまいました。

 

ここ数年は渡辺直人選手、鬼崎裕司選手、永江恭平選手、外崎修汰選手、呉念庭(ウーネンティン)選手がシーズンで起用されてきました。ただ、その起用法は入れ替わり立ち替わりでシーズンを通しての固定はできていません。

 

「打撃には完全に目をつぶって永江恭平選手を使う」「守備は大目に見て外崎修汰選手を使う」「2016年終盤に起用された呉念庭選手を年間で見てみる」といった方向性が求められます。

 

ショートに関しての辻監督のコメント。

 

今年のチームを見る限り、どうしても遊撃のポジションがネックになっていました。やはり、二遊間、特に遊撃手は固定して使いたいのですが、まだ正式には決まっていません。若い選手にはチャンスなのですから、ぜひレギュラーをつかむ選手に出てきてもらいたいですね。

 

会報誌では“若獅子”の特集で呉念庭選手と取り上げています。

 

8月9日に3度目の一軍登録を勝ち取ってからは、シーズン終了まで遊撃手先発出場を多く果たした。守備で失点に繋がる失策を経験し、打撃成績でも打率.194と課題は決して少なくないが、辻新監督も「チーム最大のテーマ」と若手の台頭を熱望する遊撃手のレギュラー候補の筆頭として、現時点でそこに最も近い選手の一人といっても過言ではないだろう。

 

他のポジションに関して、ほぼ確定と言えるのはセカンドの浅村栄斗選手と、センターの秋山翔吾選手くらいです。

 

二遊間の話の流れから、辻監督は浅村選手についてこう話しています。

 

内野手のキーになってくるのは、浅村(栄斗)だと思っています。プレースタイルそのものが非常に良いですよね。内野手のリーダーとして、チームを引っ張ってもらいたい。楽しみにしています。

 

うーん。意地悪な見方をすると、他の内野ポジションが流動的で、安定的にスタメン出場ができそうなのが浅村選手だけという側面もあります。

 

これは次の“大砲”に関連してきます。

 

③埼玉西武ライオンズの“大砲”3人の起用について

エルネスト・メヒア選手、中村剛也選手、山川穂高選手をどう使うか?

 

指名打者(DH)にメヒア選手が入った時、サードに中村選手、ファーストに山川選手が入ればおさまりは良さそう。

 

ただ、ホームランは多いが三振も多い3人です。

 

打順としては山川選手が下位打線に入ってくれた方が、相手投手にとって脅威となるでしょう。

 

この起用に関しては、毎年中村選手がケガなく出場できるかがキーになってくるので、「ショートとサードが流動的」な状況です。

 

しかも、2016年のシーズンはチームのエラー数が101。根本的な立て直しが必要でしょう。

 

個々のポジションで何を重視し、選手に何を求め、誰がピースとして選ばれるのか?辻監督の決断を楽しみにしています。

 

④埼玉西武ライオンズ投手陣の整備

これはどのチームも毎年の課題ですが、とりわけライオンズに関しては泣き所になっています。「投手王国」と言われた時代が懐かしい…。

 

ここ2〜3年は、予告先発を見て試合になると期待させてくれるのは先発陣の中で岸孝之投手と菊池雄星投手くらいです(注:岸投手は楽天イーグルスへの移籍が決定)。これではツライ。

 

さらにリリーフ陣。2016年のシーズンは前年のクローザーだった高橋朋己投手がケガで戦線離脱。代わりに増田達至投手がクローザーとなりました。

 

しかし、これでは中継ぎ陣が手薄になるのは明らか。毎年のようにチーム事情に振り回されている牧田和久投手が中継ぎに入り、どうにかカタチにしました。

 

あまりのフル回転ぶりにオールスター中継ぎ部門のファン投票一位となったものの、ファンとしては「休んでほしい」のが本音だったくらいです。

 

2016年シーズン途中まで見られた「十亀剣投手が早々にKO→からの牧田投手のロングリリーフ→からの逆転→チーム最多勝」はもう見たくありません…。

 

最後に:辻監督ご本人の埼玉西武ライオンズにおける役割

選手の自主性を重んじる印象が強かった田辺徳雄前監督。長く監督を務めた渡辺久信監督もそのタイプでした。

 

厳しく管理するタイプの伊原春樹監督の時は選手がついていけなかった印象があります。

 

辻監督はどちらのタイプでしょうか?

 

監督もしくはヘッド級のコーチにある程度の厳しさがないと、たとえ“大人”がやっているチームでも優勝は争えません。このあたりのバランスの取り方を含め、組閣が気になります。

 

まずは秋季練習でどんなお話をするのかを楽しみに、2017年のシーズンも応援します。あ、別に西武鉄道初乗り運賃は知らなくてもいいです。

 

最後に、就任会見のコメントを引用して終わります。

 

「初めての経験なので不安はたくさんあります。どこから手を付けていいのか考えすぎて、眠れない夜もありましたが、ユニフォームを着てグラウンドに出る限りは勝負師として、優勝を目指して精一杯がんばろうと、そういう気持ちでいっぱいです。

 

こういう要請があるとは思ってもみなかったのですが、西武ライオンズにスカウトしていただいてこの世界に飛び込んだわけですから、このチームでの12年間はいまの自分をつくりあげたと思っていますし、感謝の気持ちとともに何か恩返しができればという気持ちにもなりました。


優勝を目指して強いチームをつくるために精一杯がんばります。応援よろしくお願いします。」

 

それではまた。