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決算関連ニュースを見て怒ったことのあるあなたに贈る簿記会計のこと

簿記・会計・経理

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こんにちは。「やりなおしのマインドマップ」やまざきたかし( @yamazaki_1205 )です。

 

決算のニュースを見て怒る?

ぼくが大学で簿記の勉強をしていた頃のお話です。

 

たまたまテレビでやっていた決算関連ニュースで、航空業界の話題が挙がっていました。

 

ある会社について、「今回の決算で◯◯億円の黒字予想から一転して◯◯億円の赤字に転落」というニュースです。

 

それを見ていた父親が「なんでそんな急にコロコロ変わるんだ」とプリプリ怒っていました。

 

イメージとしては「◯◯億円のお金があったのに、急に◯◯億円が足りなくなった」のはありえないとなっていたのかもしれません。※注1

 

しかし、これは会計の世界では特別なことではありません。

 

一夜にして「黒字一転大赤字」があり得る簿記会計のこと

会計を表す言葉に「記録と慣習と判断の総合的表現」というものがあります。

 

特に3つ目の「判断」。これがあるため、必ずしも簿記会計は決まり切ったものではないのです。

 

少なくとも、利益とお金の動きは必ずしも連動しないことを知っておくといいでしょう。父親の誤解もこの辺りにあったのでしょう。

 

具体的には、一夜にして「黒字一転大赤字」となりやすいのが土地や建物といった固定資産に関する処理です。

 

隠蔽でもしない限り、やはり現金や預金は「その金額と決まっている項目」

 

一方、固定資産は違います。

 

ニュースの中で、「減価償却(げんかしょうきゃく)」もしくは単に「償却(しょうきゃく)」という言葉を聞いたことはありませんか?ちなみに“原価”ではなく“減価”です。

 

例えば、領収書をもらって会社で使う備品を買った時の経費は、その時の経費となるのはイメージしやすいでしょう。

 

それに対して、固定資産はそのような処理をしません。

 

対象によって年数の違いはありますが、「この先何年にもわたって経費になっていく」処理をします。これが「減価償却」と呼ばれるものです。

 

「減価償却」にもイレギュラーなものがある。それは「減損」。

多くの場合、この減価償却は規則的に行われます。

 

しかし、こうはならない場合もあります。

 

業績不振が続くと、「もうこの土地とか建物はあまり価値がないからいっぺんに経費にしてねー」と、かなり残酷な処理をしないといけないことがあるんです。

 

それこそ、会社の規模によってはウン十億円の経費となるインパクトも考えられます。

 

ニュースの中で「減損(げんそん)」という言葉を見聞きしたらこれだと思ってください。※注2

 

これにも一定の基準はあるものの、“ぜったいこの金額!”となるラインがあるわけではありません。「判断」の要素があるんですね。

 

そんなわけで、「公認会計士との“見解の相違”で(うんぬんかんぬん)」とお決まりの担当者コメントが載ったりするわけです。

 

この辺りを知っておくと、決算関連のニュースで「おっ」と思う機会が増えるかもしれません。

 

それではまた!

 

※注1 お金の動きは「キャッシュ・フロー計算書」と呼ばれる書類を見ると分かります。年度の始まりと終わりのお金が急に動くのはありえないことなので、この書類においては、金額が突然変わるのはおかしなことと言えます。

※注2 厳密には、「減損」は「減価償却の一種」ではありません。ただ、ニュースを見る限りでは“いっぺんにやってしまう減価償却」の理解でも問題ないでしょう。